大学留学 基本情報Q&A アメリカ編
アメリカの大学・大学院への留学生って、どのくらいいるの?
A:大学・大学院をあわせ、1,095,299人います。前年比0.05%増、全米大学生数の5.5%(参照:IIE2019)そのうち、半数以上がアジアからの留学生で、国別の割合でいうと、上から中国、インド、韓国、サウジアラビアと続きます。大学学部には約431,930人、大学院が377,943人と、大学院生のほうが多いです。
日本人留学生は何人いるの?
A:日本人留学生総数 18,105人で前年比3.5%減、全米の留学生総数の1.7%となります。大学学部が49.7%、大学院が15.9%、学位を取得しないが26%、その他8.4%という割合です。(参照:IIE2019)他国の留学生と比較しての特徴としては、大学院の割合が少ないことと、学位を取得しない留学生が一定数あるということです。留学生の割合は年々減少傾向にあります。
留学生に人気の専攻は何ですか?そして日本人に人気の専攻は?
A:多種多様な専攻があるなかで、世界の大学・大学院留学生に人気なのは下記の分野です。
・ ビジネス(会計、経営、マーケティングなど)
・ 工学(IT、最先端テクノロジーなど)
・ 自然・生命科学
・ 社会科学
・ 数学・コンピュータサイエンス
日本人留学生に人気なのは、下記の分野です。
・ ビジネス(会計、経営、マーケティングなど)
・ 社会科学
・ 芸術
・ 人文科学
・ 理学・生命科学
アメリカの大学には、日本のように、文系・理系という区分はありませんが、他の国々の統計では人気2位の工学が、日本人にとっては5位内にも入っていないのがちょっと目立ちますね。日本人留学生は、日本でいう文系が多いようです。具体的には、ビジネス・国際関係・開発学・物理学・コミュニケーション・ホスピタリティなどが人気のようです。
アメリカの大学にはどんな種類があるの?
A:アメリカの大学制度を年数で大きく分けると、2年制と4年制があります。2年制と4年制の割合は学生数・学校数ともに約4:6となっています。
アメリカの2年制のカレッジ
公立のコミュニティカレッジと、私立のジュニアカレッジに分かれます。
後者は少人数制で宗教系の運営が中心で、生徒数は全体の5パーセントと少ないです。
アメリカの4年制大学
大きくリベラルアーツカレッジ(Liberal Arts Colleges)、総合大学(University and Colleges)専門/単科大学(Specialized Colleges)の3種に分類できます。
リベラルアーツカレッジ(Liberal Arts Colleges)
私立の比較的少人数制(1,000〜3,000)の大学です。ゆえに教授対生徒の比率が高く、きめ細かい指導をしてもらえるのが長所ですが、学費は高めです。
リベラルアーツカレッジは広い教養を身につけ、人格形成をすることを重視しており、一般教養課程を主体にします。また、田舎や郊外にキャンパスと寮があることが多いのも特徴です。
総合大学(University and Colleges)
研究者養成に力をいれ、博士課程まで備えている大学です。州立と私立があり教育内容、授業料、施設、環境などは多岐にわかれます。ちなみに、もっとも歴史が古いのが、アイビーリーグと呼ばれる名門私立の大学たち。ハーバード大学、マサチューセッツ大学などは、なんとアメリカ国家設立より古くから存在しています。
専門/単科大学(Specialized Colleges)
ビジネス、音楽、そしてアート・ダンスなどの芸術系、建築、エンジニアリング、看護学といった専門分野の教育を主眼にした専門/単科大学がある。芸術・建築系の大学では、過去の作品の提示やオーディションが義務付けられていることもあります。
アメリカの大学は入るのは簡単、ときくけど、誰でも有名大学に入れるの?
A:留学生がアメリカの大学に留学する際の入学審査基準として、高校の成績、推薦状、エッセイ、英語力が主に問われます。誰でも名前を聞いたことがあるようなハーバード大学、コロンビア大学をはじめとする私立名門大学やUCバークレー、UCLAなどの有名州立大学は、やはり競争率が高く、難関です。ただ、アメリカには4,216もの大学・カレッジがあり、その数は日本の約5倍。入りやすい大学はあります。
例えばコミュニティカレッジなど競争率の低い大学なら、最低限の英語力(TOEFL450(PBT)46(iBT)程度が目安)があれば、入学できるといえます。
アメリカの大学は、卒業するのが大変、ときくけど、英語が不自由な留学生でも卒業できる?
A:卒業が難しいという点については、確かに自ら学ぶ意欲の低い学生には難しいといえます。例えば受身の姿勢で、発言をしなかったり、授業に欠席しがち、といった状態では単位を取ることができず、卒業は難しいでしょう。たとえ完璧でない英語でも、自分なりの考え方をもって意見を交換し、よりよい考えを生み出そうとする姿勢が評価されます。その姿勢で努力した先輩留学生たちはアメリカ人と同じペースで単位をとり4年以内で立派に卒業をしています。
高校の成績が悪く、英語も自信なし。そんな自分でもアメリカの大学に留学できる?
A:アメリカの大学が生徒に求めるのは、「学びたい」「自分はこんな個性や能力があるから、大学の発展にこのように貢献できる」いう意欲の高さです。成績のいい学生を上からとる、というよりは、人材のバラエティを重視する考え方なので、エッセイや推薦状のアピール次第で高校時代の成績の悪さや英語力不足を補うことが可能です。
語学学校で英語力を上げてからコミュニティカレッジにはいり、さらに英語力を上げつつ、レベルの高い大学やカレッジに編入する、という方法があります。
コミュニティカレッジってどんなところ?
A:主に地域の住民の税金で運営されるコミュニティカレッジは、移民の多いアメリカが、地域(コミュニティ)の一員なら誰でも入れる「教育の機会均等」の理念から生まれた2年制の公立大学です。
多様な教育を低料金で提供するのが特徴で、職業訓練を目的としたコースや、
4年制大学の3年次に編入するための一般教養コースがあります。
編入を視野に入れる場合は、同じ州の4年制大学とスムーズな単位交換制度に関する協定があるので、行きたい大学のある州のカレッジを選ぶのがお勧めです。
カレッジ、そして履修科目を選ぶ際は、協定の有無や、どの単位がどの大学に移行できるかなど、しっかり調べておくことが大切です。
滞在方法は、アパートを探して借りる留学生がほとんどです。
地域の低所得者の教育をも担うという性質から、働きながら自宅通学する学生が多く、寮を併設していないカレッジがほとんどなのです。
放課後も寮で同世代の友人と議論し、切磋琢磨するキャンパスライフを希望する人には、物足りないと感じるかもしれないです。ただ、最近はコミュニティカレッジの留学生が増えたことから、寮を併設し、留学生アドバイザーを置くところ増えてきています。一言にコミュニティカレッジといってもさまざまなので、生徒層や雰囲気など、事前にしっかり調べておきましょう。
日本の大学から、アメリカの大学に編入することはできる?
A:はい、できます。アメリカの大学は日本の大学が学年ごとに動くのに対し、単位制をとっており、卒業に必要な単位を取得していく、という考え。何年次に編入、という考えではなく、日本の大学から何単位移行できた、という風に考えます。単位移行の審査基準は科目の種類、授業の内容、取得単位数、成績などになります。日本の大学事情に詳しくない大学もありますので、前向きに理解してもらえるようなアピール書類を英文で用意し、在学する日本の大学の承認を得たかたちで添付すると有効です。また、まだ留学までに時間の余裕がある場合は、希望するアメリカの大学の要覧・HPをみて、現地の大学生が取得すべき科目と同様の科目を日本で履修しておくと、認められる可能性が高まります。
まだ自分のやりたいことが分からないのだけど、専攻はいつまでに決めればいいの?
A:基本的には2年生の後半か3年生の初期に専攻を決め、卒業に必要な単位をとっていきます。
ただ、アメリカの大学は単位制で、学位取得までに必要な単位数を、3年で取得しても、6年かかって取得してもOK、という考え方。なので、いつ専攻を変更して、あらためて学位取得を目指すことも可能です。
ただ、今までとっていた単位の一部が無駄になり、新たな卒業必要単位を取得するため、プラスのお金と時間がかかることに注意しましょう。
さらに、適正を必要とする専攻や、人気のある専攻に変える場合には、一般教養時の成績(GPA)などにより審査されます。
高校を中退しているのだけど、アメリカの大学に入れる?
A:高校中退者が大学留学を希望する場合、18歳に達していればコミュニティカレッジに入学できることがあります。できない場合でも、日本での「高等学校卒業程度認定試験」に相当する General Educational Development(GED)を受けて、合格すれば高校卒業と同等の資格を得ることができ、コミュニティカレッジのみならず、4年制大学へも進学が可能です。
高校卒業資格を持たない日本人がアメリカへの大学留学を志す場合、「高等学校卒業程度認定試験」(旧大学入学資格検定)に合格していれば、GED 合格と同様に受け入れてくれる大学があります。この場合、合格の証明書を文部科学省に英文で発行してもらい、志望校に提出して審査を受けることになります。だたし、すべてのアメリカの大学で認められる訳ではないので、そのような資格で出願できるかどうかをあらかじめ志望校に問い合わせてみましょう。