大学留学のためのQ&A 語学力&学校編

大学留学をしようと決めたら、さっそく留学の準備が始まりますね。学校選びは?そもそもどれくらいの成績や英語力が必要なの?など、たくさんの疑問が浮かんでくると思います。こちらでは主に語学力や学校についてのQ&Aをご紹介します。

英語のレベルが低い場合でも大学に進学できる方法って?

英語力が大学の入学基準に満たない場合は、学校付属の英語学校、または提携している私立学校の英語学校からスタートして、基準レベルに到達したら大学へ進学するという方法もあります。個人差がありますが、渡航時の英語力が英検2級レベルだとすると、3カ月〜1年くらいの学習期間が必要です。英語力以外の条件をクリアしていれば、英語力が条件をクリアできた時点で進学できる「条件付入学」という制度が適用され、大学から入学内定をもらっておくことが可能です。

また、アメリカの大学へ留学をする場合には、2年制カレッジから入り4年制カレッジに編入するという方法があります。2年制カレッジによっては入学基準の英語力がかなり低いところもあり、入学が可能なところもあります。4年制カレッジに直接入学という場合は、やはり、ある程度の英語力が必要になります。

大学に入学するにはどのくらいの英語力が必要なの?

留学先の国によって入学時の英語力の条件が異なりますが、アメリカの4年制大学へ直接入学するための英語力はTOEFL(iBT)61が目安ですが、2年制大学ではTOEFL(iBT)45〜55で入学できる場合もあります。

イギリス、ニュージーランド、カナダでは、(大学・短大問わず)TOEFL(iBT)61以上のスコアが必要になります。

オーストラリアの大学では1年目から非常に専門性の高い学習をするため、留学生が十分な英語力なしに大学の授業についていくことは不可能と考えられています。そのため、一般的に英語力の入学基準が高く設定されています。実際にどの程度の英語力が必要かは進学先の学部にもよりますが、最低でもTOEFL(iBT)80~90、IELTS5.5〜6.0は必要になります。また、オーストラリアではTOEICの認知度が低く、大学は必ずTOEFLかIELTSのスコアの提出を要求します。

日本の大学と海外の大学の大きな違いって何?

教育システムやキャンパスが違います。「教育システムの違い」とは、授業中に自分の意見を述べる、ディスカッションに参加する、プレゼンテーションで評価を得る、授業中に質問を投げかけるなどのことが期待される、生徒中心の参加型の授業形態のことです。受動的な日本の教育システムとは大きな違いがありますね。

また、海外の大学はどの国でも入学するのは易しいですが、卒業するのは簡単ではありません。予習や復習、課題、試験などが多く、相当な勉強が必要になります。そのため、日本の大学生のようにアルバイトやサークル活動に時間を費やすのは難しいでしょう。放課後は図書館と寮の往復という学生生活になります。

悪い成績を続けて取れば退学もありえます。成績の判定はテストだけではなく、プレゼンテーションや課題、出席率、ディスカッションへの参加率、ペーパー(論文)なども考慮されますので、「一生懸命勉強するぞ!」という覚悟と決意が必要ですね。

入学試験がないって本当?高校から現地の学校へ通った方がいいの?

大学に入学するための試験はありません。日本から出願する場合はすべて、書類審査により合否判定が行われます。必ずしも現地の高校に進学しなくてはいけないというわけではありませんが、高校留学を通して英語力はしっかり身についていますし、海外で勉強する姿勢も学べますから、現地の習慣を得ることができるという意味では、よりスムーズに大学進学ができると思います。特にオーストラリアでは、日本の高校卒業レベルのままでは、ほとんどの大学へ直接入学できる基準に達していないため、高校留学から進学するメリットも多いでしょう。しかし、大学により審査の内容や基準は異なります。主に高2〜高3の成績をもとに審査されますので、高校から留学を開始したからといって、大学入学が簡単になるというわけではありません。

授業がハードって聞くけど、どんな感じなんだろう?

出席することが原則となり、レポート提出やテストが頻繁にあります。また、予習、復習も必要となり、平日は特に大学の勉強を中心に生活する状況になるでしょう。授業は「レクチャー」と呼ばれる講義と、20名ほどに分かれて行われる「チュートリアル」というグループ授業とがあります。授業のペースが速いので、ノートを取るのが大変な点や、日本人が苦手な傾向にある「積極的に意見を述べる」ということが求められている点については、確かにハードと言えるでしょう。

アメリカの大学では講義型の授業のほかに、ディスカッション、プレゼンテーションなど自分の意見や研究成果を発表する機会が多く設けられています。テスト以外にも学期を通して常にさまざまな課題の提出が要求されます。常に積極的に授業に参加し、理解していなければ必要な成績を修めることはできません。日本の大学では1教科を1年かけて行うのに対し、アメリカは1学期(約4カ月)で4教科を修了するため、第1、2テストや学期末テストは1カ月おきくらいに実施されるという点でも大変さが分かりますね。

海外の大学の授業では日本の先生のように黒板に書くことがほとんどありません。90分の講義中、授業の内容を聞き自分でノートを取る、突然ふってくる教授からの問いかけで始まるディスカッションに参加、膨大な量のリーディング、クラスでのプレゼンテーション、論文。日本の中学・高校では体験したことのない授業スタイルが、海外の大学の授業がハードと言われる理由かもしれませんね。

宿題や課題は多い?大学生はどのくらい勉強しているの?

宿題はとても多く、かなりの量が出されているようですが、日本のように、試験対策で1日前に徹夜をしてテストの成績さえよければ・・・ということはほとんどありません。リーディングやペーパーの課題もたくさんありますので、日頃から予習・復習をして課題に備えることが大切です。週末以外は毎日3〜6時間は勉強しています。なかなかハードですね。アメリカの大学生は月曜〜金曜の夕方は勉強。金曜の夜から日曜の朝までは遊ぶ! そして日曜にはまた勉強です。勉強と遊びの区別がはっきりしているので、メリハリがあります。このようにメリハリをつけることで、しっかりリフレッシュすることも大事です。しかし、大事なテスト期間中は、週末もずっと勉強することも多々あります。

入学できても、授業についていけるかどうか心配で・・・

授業についていけるかどうかは、本人の努力次第です。何となく出席しているだけではもちろん、すぐにおいていかれます。しかし、日本の教育を受けているので、学力の問題でついていけないということはありません。うまく時間を遣いながら予習・復習、そして宿題、課題を進めていくことができれば大丈夫です。わからない点はクラスメイトや教授に相談してアドバイスを受けるなど、早めに対処しましょう。「授業についていけないのでは?」などの不安がある際は、どの大学でも提供しているスチューデント・サービスの補習を受けることをお勧めします。

語学力不足で途中で挫折したり単位不足で落第、なんてことがある?

語学力不足の状態で大学へ入学することはできないとされていますが、実際には多くの留学生はこの問題に直面します。学部の授業を受けるという時点で必要最低限の語学力は身についているはずですので、授業について行くための語学力アップの学習は怠らないよう努力しましょう。単位を落としてしまった場合、夏休みのサマースクールで再度その単位取得を行う機会もあります。しかし、単位の種類によっては再度学期中に受講しなければならないものもあります。1つ以上の単位を落としてしまった場合は、当然落第してしまうことも考えられます。落第の原因は語学力というよりも課題の提出期限を守らないなど、授業についていくための努力不足もあるかもしれません。どうしてもわからない場合や単位を落としそうな場合には必ず先生に質問したり、相談したりするなど、早めにコミュニケーションを取ることが大切です。

アメリカの大学に「条件付合格」で入学した場合、いつ学部入学できるかは本人の努力次第です。いつまでも学部入学ができず、途中で挫折してしまう学生もいます。アメリカへ行ってからの努力だけではなく、行く前の努力も卒業へのカギだと思います。

大学の学期試験は年に何回、いつあるの?

海外の大学には2学期制と4学期制があります。2学期制ですと年2回、4学期制ですと年4回になります。学期試験はたいてい学期中(Mid-Semester)および学期末(Final)の2回あります。学部によっては学期中の試験が提出課題に置き換えられているものもありますが、その場合でも学期末の試験は必ず実施されます。大学によっても違いはありますが、年4~6回と考えて良いでしょう。

また、すべての点数が学期試験で判断されるわけではありません。たとえば、授業中の出席率、エッセイ、プロジェクトなどによる評価が20%、そして、学期末試験が80%という具合です。だからこそ、日頃の勉強がとても大切といえます。

在学中の長期休暇はどれくらいあるの?

アメリカの場合、夏休みは最大で3カ月くらい取れる可能性もありますが、サマーコースなどを取ると2カ月は授業で休みがつぶれるので、1カ月くらいの夏休みになることもあります。3カ月も休みがあると留学の場合は何もすることがなくなるので、逆につらいと思います。

オーストラリアの場合、学年末は11月末になります。そこから2月中旬まで、3カ月近い長い休みになります。冬休みは1カ月、そのほか、4月にはイースター・ブレイクが2週間あります。

途中で専攻を変えることができるって聞いたけど本当?

国によって異なります。たとえば、アメリカ、カナダの大学では、1・2年生の間は一般教養課程を学びます。この間に将来何を専攻するのかを決めればいいわけです。しかし、できるだけ早めに専攻を決定することが望ましいでしょう。専攻によっては必修科目があり、それを取り直したりすることは卒業までに多くの費用と時間を費やしてしまいます。イギリス、オーストラリア、ニュージーランドでは1年目から専門分野について深く勉強するので、専攻を変えることはたいへん難しいです。そういった考え方が存在しないと言ってもいいでしょう。専攻によっては選抜制になっていて、2年生、さらに3年生と同じ専攻を続けるためには1年生の成績が大事になります。

変更した場合、取得した授業が新しい専攻では余分とみなされる可能性があり、新しい専攻の必修内容にあわせて授業を受ける必要があります。この場合、卒業のタイミングが遅れる可能性もありますので、慎重に学部を選ぶ必要があります。

確実に手にしたい卒業資格。どうやったらもらえるの?

卒業資格は専攻で必要とされているクラスを含め、一定以上の成績で取得した単位の合計が卒業単位に達した段階で卒業資格がもらえます。一般的には、自分の専攻に関する先生やスタッフがアドバイザーとなり、卒業までの単位取得の計画をアドバイスしてくれます。

課題を期日内に提出する、クラスを休まない(アメリカの大学は出欠の評価が厳しいです)、毎学期よい成績を保つ、遊びと勉強のメリハリをつける、そして教授とのコミュニケーションを大切にするなどのことを心がけましょう。これが守れれば卒業できるはずです。

大学に入るには成績と語学力どっちが大事なの?

基本的には、どちらも大切です。レベルの高い大学などでは、過去の成績と語学力の両方が重要になります。英語力は後で伸ばすこともできますが、成績は変えることができませんので、在学中であれば成績を上げることを優先した方がよいでしょう。

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